いままでにない映像的な実験性をこの建物は持っており、そこに現実と虚構との境界が曖昧になった現代社会の様相を垣間見る人もいる。あるいはそこに音楽でいうところの、リミックスを思い出す人もいるだろう。リミックスは、あるオリジナル曲のアレンジされた変奏のことだが、こうした映像も、すでにあるオリジナルな都市の風景を、さらに改編して見せたものに思えるからである。それにしても私はガラスに映った粉々になった都市の光景を見て、それが映像的だったから余計にそうなのだが、ふと崩壊した都市のさまも想像したのである。
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おそらく二〇〇一年九月一一日に、マンハッタンでビルが壊滅する強烈な映像を見ていたせいであろう。あの崩壊でも、ビルの窓ガラスが粉々になって、はるか下の地上へと落ちていった。そのせいか、このガラス面を見た後で、不安な気分を掻き立てられた。私たちの暮らす都市も、一瞬で消えてしまうかもしれないという不安である。ガラスはさまざまなものを映し出す。そこには私たちの未来だけでなく、時には終未さえ映し出すことかおるのかもしれない。