資産価値を高める方法−アメリカの場合

2011.09.30

仮に住宅寿命が一〇〇年になったらどうでしょうか。いい事例がアメリカにあります。アメリカの住宅寿命の平均は一〇三年ですが、アメリカの多くの住宅はツーバイフォー(2×4)工法の木造です。厚さと幅が二インチと四インチで規格化されたサイズの木材を使って建てる壁式工法です。日本と同じように「木」を構造材に使いながら住宅寿命が約三倍にもなるのは、ツーバイフォー工法が特別に耐久性に優れているからということではありません。日本人とアメリカ人の住宅に対する価値観の差が、住宅寿命の差になっているのです。というのもかつてアメリカでは、住宅の価値観を一変させるほどの社会的危機があったからです。世界恐慌の影響でアメリカが大不況に陥った一丸三〇年代のことです。当時、八年間で新築住宅の着工戸数が九三万戸から九万戸に約一〇分の一にまで落ち込んでしまったのです。そこでアメリカ政府は、ニューディール政策の一環として住宅需要を活性化させるために、住宅融資を大幅に緩和しました。その際、融資の審査基準として、「市場価値が高く、将来にわたって転売価格が高い住宅」などを高く評価する考え方を打ち出したのです。こうした社会的危機から「長持ちして転売でき、しかもデザインや将来に向けた可変性を備えた住宅」が建てられるようになったわけですか、当然、アメリカ人の「家と向き合う姿勢」もこれを契機に大きく変わってきました。家族総出で休日ごとに璧のペンキを塗り直し、芝刈りをするアメリカの家庭イメージは、一見、生活を楽しむスタイルのように見えますが、むしろ「損をしない家にする」ための作業でもあるのです。新築で建てるときも細心の注意を払いますが、建てた後の取り組みこそ資産価値を高めることを十分承知しているからです。

[参考情報]
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