高齢者の住まいの大原則

2011.12.23

私の祖母は、以後まで一人で生き抜いた、とても気丈な女性だった。しかし、その祖母が一度だけ弱音を吐いたことがあった。あるとき洋式トイレに這い上って用を足そうとしてバランスを崩し、便器と壁の間にはまってしまったのである。自力で抜け出すことはできない。一人暮らしだから、声を上げても助けてくれる人はいない。結局、母が訪ねて気づくまで、七、八時間も身動きとれずにいたらしい。私が高齢者用トイレについて真剣に考えるようになったのは、そのとき以来である。

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老後を快適に暮らすために欠かせないものは、何をおいても便利なトイレと浴室なのだ。まずトイレは、少しでも身体が動くかぎり自分一人で入り、用を足せるものでなければならない。そのためには、できるだけ寝室の近くに設置する。二世帯同居住宅の場合は、親の寝室の隣に専用トイレをつくる。歩行や移動の問題を別にしても、これは高齢者の住まいの大原則だ。年をとれば自然とトイレが近くなる。





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