見るのは間取りと方位

2011.11.18

屋根は高く軒は深く差し出し、柱が太くしっかりしているからなかなか良い相です、というふうには家相見は言わない。第一、彼らは建物の姿形など見もしない。見るのは間取りと方位。まず家にやってきて、敷地と間取りを調べて図に起こす。次に、そのほぼ中心の位置に(この中心点をどこに置くかも家相見の秘伝)磁石を置き、方位を平面図の上に線で描き込む。東西南北の四本、その中間も入れた八本、さらに細かくガマの脂売りみたいに、十六木。

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測量による正確な平面図。磁石による厳正な方位。科学である。ここまでは。ここまでの科学はここから先の非科学を支えるためにしっかりやらないといけない。そして言う。ウシトラの便所のせいで息子さんがあんな目にとかイヌイの井戸は病の元。少し前、家族に病があったはず、思い当たるでしょう。井戸はタツミに限ります。掘り直すベシ。こういう方位判断には大きな定石があって、ウシトラとイヌイがなににつけ凶であることになっている。北東とその対角線の南西はいけない。鬼門と裏鬼門。こういうところに門を開けたりすると、不幸が入ってくる。井戸のような大事なものをそんなところに掘ってはいけない。門をつけ替え、井戸を掘り直し、それだけじゃ足りないから、私がひとつ鬼門封じをして差し上げましょう。鬼門封じにはいろいろあるが、京都御所は北東の塀の角を欠く角欠を施している。京都では自然石を立てる例が多い。東京では、小笠原伯爵邸と蜂須賀侯爵邸が塀の角に御幣をかつぐ猿の陶版をはめていた。日枝神社の使いの猿。家相見にいただいたお札を貼ってすます手もある。いずれの場合もしかるべき代価を払って家相見にやってもらわなければ効果は薄い。





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